作り直したい病

作成物の欠点に耐えられなくなり全て捨て去り1から書き直したい欲求に駆られる病。
基本的にプログラマーがプログラムに対して抱く事が多い。

一般に良い事と思われている空気が少しあるけれど、実はそれほど良い事では無い。
理由は色々あるけれど、一言で言うなら「無理だから」の一言に尽きる。
まず、良い事とされている理由を考えると、目先の楽ではなく最終的な楽を取っているように見える点が上げられる。
これは、今のまま無理やりに開発続けていく方がコストは低い、だが長期的な観点で見れば沼の上に家を建てるような作業よりは地盤を固めた方が効率的だ、という考えからおこる。
が、実際に地盤を固め終えられるプロジェクトは少なく、その上に以前と同じだけの家を建てられたプロジェクトに関しては数える程度にしか存在しない。
理由は簡単で、目先の楽を取って最終的な楽を取っていないため、途方も無いほどに膨れ上がった作業量に押し潰されてしまうからだ。

まず考えてほしいのは、なぜ作り直したい衝動に駆られるのか、という点だ。
おそらくだが、あまりにも面倒な構造、直すにも直せないコード、そういった目先の大変さが原因では無いだろうか?
こういう場合に本来とるべき道は、コードファクタリングであって、1から作り直す事では無い。
リファクタリングは高度に絡まったスパゲッティーを一本一本ほぐすような作業であるために大変な苦痛を伴うだろう。
だが、それをやり遂げたならば、作り直した場合は当然無くなっているだろう互換性を維持する事が可能であるし
精神的苦痛を除く純粋な作業量では比べ物にならないほど少なく済ませる事が出来る。
また、作業全てが終わらなくとも動作するので完成度を落とさずに済むし、動作するままであるためモチベーションも落ちにくいというおまけつきだ。

当然、ナポリタンからカルボナーラに作り変えたいならば作り直すほうが遥かに早いだろう。
だがそれは作り直すのではなく完全に別物であるはずだ。
あなたが欲するものが別物でないのならば作り直そうなどと考えるべきでは無い。
その作り直したい衝動は悪魔の誘惑なのだ、受け入れたならばきっと後悔する事になるだろう。

こんなしょうもない厨二文章を考えつつ、登録所作り直したいなーと考える五月後半の昼下がりなのでした。

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